
STEP4
柱状図を知ろう 柱状図の見かたと地質判定方法
あなたは、自分の土地が本当に安全かどうか、不安に思ったことはありませんか?
もしも大地震が起きたら、自分の家は液状化や崩壊などの災害に遭わないでしょうか?
そんな不安を解消するためには、地盤診断が必要です。
地盤診断とは、土地の地形や地質を調べて、そのリスクを評価することです。
地盤診断を行うことで、安全で快適な土地選びや建築計画ができます。
また、建築基準法や耐震基準に基づく設計や施工にも必要です。
しかし、一般的な地盤診断は、地盤を掘削するボーリング調査などを伴い、費用や時間がかかります。また、その評価には専門的な知識が必要です。
そこで、この記事では、【無料でできる地盤診断マニュアル】として、典型的な地形と地質、その他の専門知識について、できるだけ簡単に解説します。
そして、インターネットで公開されている地形図や地質図、ボーリング柱状図を利用して、その土地の状況を【無料】で調べる方法を紹介します。
さらに、この記事では、ボーリング柱状図データだけで通常は判断が困難な地層区分や液状化診断ができるサービスも紹介します。このサービスは、現地調査や掘削などの費用や時間がかからず、地質の専門家による信頼性の高い診断結果が得られます。
あなたも今すぐ自分の土地の安全性を確認してみませんか?
地形と地質の基礎知識から学ぶ地盤診断の必要性と方法についてご一緒に見ていきましょう。
この記事では、「STEP4 柱状図を知ろう 柱状図の見かたと地質判定方法」について、まとめています。
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【目次】
自分で地盤診断をする前に覚えよう 5個のSTEPと18個のWORD
WORD.1 | 山地
WORD.2 | 丘陵地
WORD.3 | 台地
WORD.4 | 低地
WORD.5 | 人工地形
●STEP2 地質を知ろう(Ⅰ) 時代で分れる3種の地層と特徴
WORD.6 | 人工層
WORD.7 | 沖積層
WORD.8 | 洪積層
●STEP3 地質を知ろう(Ⅱ) 粒径や硬さで分れる4種の地質と特徴
WORD.9 | 粘性土(粘土・シルト)
WORD.10| 砂
WORD.11| 礫
WORD.12| 岩盤
●STEP4 柱状図を知ろう 柱状図の見かたと地質判定方法
WORD.15| 地形分類図
WORD.16| 地質図
WORD.17| 地質断面図
WORD.18| 液状化マップ
● STEP4 柱状図を知ろう 柱状図の見かたと地質判定方法
ボーリング柱状図の見方とN値の意味を知って、安全・安心な生活を送ろう
あなたは、自分が住んでいる場所の地盤の状態についてどれくらい知っていますか?
地盤の状態は、建物の基礎や設備の設計や施工に大きな影響を与えます。
また、地震や豪雨などの災害に対する耐性は地盤の状態によって変わります。
しかし、多くの人は、自分の住む場所の地盤の状態についてあまり意識していません。
それは、危険なことかもしれません。
この記事では、地盤診断を行う際に用いられるボーリング柱状図の見方とN値の意味をわかりやすく紹介します。
ボーリング柱状図とN値を知ることは、あなたの生活をより安全・安心にするためのヒントになります。ぜひ、最後までお読みください。
WORD.13 | ボーリング柱状図
13.1 | ボーリング柱状図とは何?
ボーリング柱状図とは、地面を掘削することにより地質の状態を確認する調査である「ボーリング調査」の結果を整理したものです。
ボーリング柱状図には、調査地点の標高や掘削時に確認した水位、地質やその色調、地質の状態、地質が出現する深度・標高、N値などが記録されています。
これが、ボーリング柱状図です。
まずは、赤枠内を見てみましょう。ここは標題情報欄です。
標題情報欄を見れば、ボーリング名やボーリング孔口標高など、ボーリング調査の基本情報がわかります。
ボーリング柱状図の例では、ボーリング名はNo.1で、その地点標高は10.00mとなっています。
次に、青枠内を見てみましょう。ここは地質区分欄です。
ボーリング調査は地盤を鉛直下方に掘削して、その鉛直下方向に分布する地質を確認することを目的とします。
地質区分欄をみれば確認した地質の名前や特徴、その地質がどの深度・標高から出現するかなどがわかります。
ボーリング柱状図の例では、黒ボクは、層厚1.40mで、深度0.30~1.70m、標高9.70~8.30mに分布し、色調は黒灰色で、スコリアや浮石を混入していることがわかります。
黄色枠内を見てみましょう。ここは標準貫入試験欄です。
標準貫入試験欄をみれば、ボーリング地点の鉛直下方向のN値分布がわかります。
ボーリング柱状図の例では、黒ボクの部分で実施した深度1m付近のN値は4回、粘土質ロームの部分で実施した2m付近のN値が1回であることがわかります。
WORD.14 | N値
14.1 | N値とは何?
ボーリング調査はボーリングマシンを使用して、鉄の管(ロッドやチューブ、サンプラーと呼ばれるもの)を地面に押し込みながら掘削を行います。
また、一般的なボーリングでは、標準貫入試験とよばれる試験を行います。標準貫入試験では、おもりを使って鉄の管(ロッドを介した標準貫入試験サンプラー)を打撃して、地盤に貫入させます。
N値とは、標準貫入試験で行う打撃によって、地盤に鉄の管(標準貫入試験サンプラー)が30cm貫入するのに必要な打撃回数のことです。
N値とはボーリング調査とあわせて行われる標準貫入試験の結果であり、地質の硬さをあらわす指標となります。
N値が大きければ硬い地質、小さければ軟らかい地質と判断します。また、粘性土地盤(粘土・シルト)と砂質土地盤(砂・礫)ではN値に対する表現が表のとおり異なります。

なお、多くの構造物では、N値50以上であれば硬く良質な地質であると評価します。
もう一度柱状図を見てみましょう。N値はここに書かれています。
以上が、主な柱状図とN値の特徴です。
準備ができたら、ジオネスト公式サイトの地盤診断マニュアルを活用して、実際に気になる土地の地盤診断に必要な図面を調べてみましょう
ジオネストでは、ご自身で地形を調べられるウェブサイトをピックアップして整理し、それぞれのウェブサイトの使用方法をマニュアル化して公開しています。
さらに、ジオネストは、ご自身で地盤診断ができないお客様に対して、地盤診断を代行するサービスを行っています。
このサービスは、現地調査や掘削などの高額な費用や時間がかからず、地質の専門家による信頼性の高い診断結果が得られます。
プロの診断が必要な方は、ぜひ、ジオネストのサービスをご利用ください。